スカイマーク経営悪化の理由

既に上場廃止となっていますが、再建案で最近盛り上がってきたスカイマークについて書きたいと思います。

そもそもスカイマークが民事再生法を適用した背景は、下記2つがあります。

  • LCCとの競争激化
  • 財務体質に合わない機材の大型発注

特に2番目にある機材発注で、資金繰りが出来ず契約解除をボーイングに求めたところ、多額の賠償金を求められ経営悪化となっていきました。

そのスカイマーク再建をめぐって、いろいろな思惑が動いています。

羽田一極集中と規制

スカイマーク再建を理解するにあたって、まず日本の航空事情を知る必要があります。

まず知っておくべきことは、下記3つです。

  • 国内旅客の7割は羽田空港を発着地としている
  • ANA、JALで羽田発着枠の7割以上を占める
  • スカイマーク枠は36便/日で、羽田発着枠のシェアは約8%

羽田空港は利用客数、利用頻度が高く、利益が出やすい空港のため、羽田空港を発着する路線は「ドル箱路線」と呼ばれています。

しかし空港の発着処理能力も限界があり、国土交通省へ申請をしても簡単に受理されず、発着枠自体が既得権益化しているのが現状です。

また航空業界は戦後保護され続け、2社による寡占化にもあるため航空運賃は高止まりし、日本の消費者が負担を強いられている状況です。

(携帯電話事業者が3社寡占にあり、携帯料金が高止まりしているのと同じです。)

そのため官僚は天下り先を確保しようとし、国土交通省は適正な競争を促し、企業再生ファンドは既得権益を巨額のお金に変えようとし、債権者はなるべく多くのお金を回収しようとするなど、それぞれが自身の目的を達成するためにアクションを起こしています。

民事再生法による再建メリット

こうした背景から、インテグラルを主体とする企業再生ファンドが、メリットのある民事再生法を中核とし再建案を進めて来ました。

ちなみに民事再生法による再建メリットは下記となります。

  • 債権放棄・100%減資を提案できるようになる(会社更生法も同様)
  • 迅速に再建処理ができる
  • 現行経営陣が続投できる

スカイマークについては100%減資・180億円の第三者割当増資、95%の債権カットによる再建を通し、新会社へ以降するスキームを作っています。

これが会社更生法となると、裁判所が指名する管財人が再建を進めるため、再建スキームを企業再生ファンド主導で進めることができなくなってしまうのです。

主導権を握りつつ、債権放棄などを要求し企業価値を高める、うまいやり方だなーと思います。

疑問が残る新会社の出資比率

さて気になるのは、新会社の出資比率です。

今回のスキームによると、インテグラル:50.1%、日本政策投資銀行+三井住友銀行:33.4%、ANA:16.5%となっており、航空会社運営のノウハウを持たない企業の出資比率が83.5%と、常識的ではないことが分かります。

企業再生ビジネスが悪いとは言いませんが、ここまで明らさまだと、ちょっと悲しくなりますね。

また羽田空港発着枠は、1便当たりの価値が20億円とも言われているそうで、36枠を持つスカイマークの新会社は、一気に720億円の価値を持つことになります。

これを180億円の割当増資で買うとなると、再建案が成立した段階でいきなり500億円以上の含み益が出るイメージになりそうです。

更なる高値EXITを目指して

ここまでは日本国内での話でしたが、米国デルタ航空を第三者割当増資先とする再建案で衝突が生まれています。

デルタ航空はスカイチームというアライアンスの中心企業であり、日本のワンワールド、スターアライアンスの2大体制を崩すため、スカイマークの発着枠はかなり魅力的なはずです。

第3極であるデルタ航空を新会社の親株主とすれば、上場EXIT or株式買い取り時にANAケースよりも高値売却できる可能性が十分あり、企業再生ファンド側からしても悪い話ではありません。

また適正競争の観点からも消費者がメリット享受できるため、個人的にはデルタ航空案推しです。

しばらくは日本の空を巡るこの戦いから、目が離せないですね。

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カネのなる木となるスカイマークを事例に日本の空を考える

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