市場予想は計算で求められる

来月が試験ということもあり、証券アナリストの過去問をやっています。

金融知識はそれなりにあると思っていましたが、やはり自分が知らなかったことがほとんどで、勉強になります。

さて今回は、現在の市場金利から、マーケットが考える今後の市場予想金利を算出できる「フォワードレート」について紹介したいと思います。

スポットレートとは?

フォワードレートを説明する前に、まずはスポットレートについて説明します。

スポットレートとは、ある期間預けた場合の利子率になります。

ここで利子率rは、任意の期間tを変数として持つため、r(t)で表現できます。
またtが大きくなるほど、一般的にrは大きくなります。

1年定期預金と、5年定期預金だと、5年定期の方が利子率が高くなりますよね?

預ける期間が長くなるほど、時間的リスク(その間の急なインフレなど)が高くなるため、リスクプレミアムが大きくなります

フォワードレートを考える

フォワードレートは、将来の決められた時点での金利です。

これは前述のスポットレートが分かると、将来の決められた時点での金利を、現時点で確定することができます。

つまり2年後に1年定期預金をしたいと思っていたら、現時点のスポットレートを使い、2年後の金利を今確定することが出来るのです。

具体的に考えていきます。

前提条件として、現時点のスポットレートは、2年物金利がr(2)=3.30%、3年物金利がr(3)=3.60%とします。

上記の例でいくと、2年後に預金を開始し、3年後まで預けた場合のフォワードレートf(2,3)を求めることになります。

2年後に預金する金額をC2とすると、3年後まで預けたときの将来価値FV3は

FV_{ 3 }=C_{ 2 }\times (1+f(2,3))

これは(預金額)✕(将来の利子率)なので、分かりやすいと思います。

では2年後に預金する金額C2は、現時点でいくらでしょうか?

これはC2を2年定期預金の利子率で割ることで、現在価値を求めることができます。

C_{ 0 }=\frac { C_{ 2 } }{({ 1+r(2) })^{ 2 }}

現時点でC0円を3年定期預金で預けるとすると、将来価値FV3は、

{ FV }_{ 3 }=C_{ 0 }\times (1+r(3))^{ 3 }

C0を代入すると、

{ FV }_{ 3 }=\frac { C_{ 2 } }{ ({ 1+r(2) })^{ 2 } } \times (1+r(3))^{ 3 }

と表現することができます。

以上より、無裁定取引が実現している市場では、フォワードレートは下記等式を満たすはずです。

{ FV }_{ 3 }=\frac { C_{ 2 } }{ ({ 1+r(2) })^{ 2 } } \times (1+r(3))^{ 3 }=C_{ 2 }\times (1+f(2,3))

これにr(2)=3.30%、r(3)=3.60%を代入し、C2で両辺を割ると、

\frac { 1 }{ ({ 1+0.033})^{ 2 } } \times (1+0.036)^{ 3 }=1+f(2,3)

\Leftrightarrow f(2,3)=\frac { 1.036^{ 3 } }{ { 1.033 }^{ 2 } } -1

\Leftrightarrow f(2,3)=0.042

よって、2年後に1年定期預金をする際のフォワードレートは、f(2,3)=4.20%だと求めることができました。

ここで重要なことは、現時点のスポットレートr(t)が分かっていれば、将来における任意のフォワードレートが求められるということです。

将来利上げ予想があれば、マーケットではそれを見越し、現在の債券利回りに影響を与えます。

逆に言えば、現在の債券利回りには、将来のフォワードレートが織り込まれており、市場がいつ、どれだけの利上げがされると考えているか想定することができる訳です。

このフォワードレートの考え方を、インプライド・フォワードレートともいうそうです。

フォワードレートを一般化する

さて、今度はこれを一般化すると、

\frac {C _s}{ (1+{ r }_{ (s) })^{ s } } \times (1+{ r }_{ (t )})^{ t }=C_s\times (1+f\left( s,t \right) )^{ t-s }

ここで

  • Cs:s年目におけるキャッシュ
  • r(s)、r(t):をそれぞれs年物、t年物における債券のスポットレート
  • f(s,t):s年後からt年後にかけてのフォワードレート

とします。

左辺はs年後におけるキャッシュCs円を(1+r(s))のs乗で割ることで、Cs円の現在価値を出し、これを(1+r(t))のt乗することで、t年後における将来価値を表す式になっています。

また右辺は、s年後におけるキャッシュCs円を、s年後におけるt年後のフォワードレートf(s,t)で、(1+f(s,t))でt-s年間運用した将来価値を示しています。

これらは同じ将来価値になるため、フォワードレートについて整理すると下記となります。

\Leftrightarrow (1+f\left( s,t \right) )^{ t-s }=\frac { 1 }{ (1+{ r }_{ (s) })^{ s } } \times (1+{ r }_{ (t) })^{ t }

\Leftrightarrow 1+f\left( s,t \right) =\sqrt [ t-s ]{ \frac { (1+{ r }_{ (t) })^{t}}{(1+{r}_{(s)})^{s} }}

\Leftrightarrow f\left( s,t \right) =\sqrt [ t-s ]{ \frac { (1+{ r }_{ (t) })^{ t } }{ (1+{ r }_{ (s) })^{ s } }} -1

この式があれば、市場が考える利上げ時期と利上げ幅が求められそうですね。

追記:マイナス金利発表でイールドカーブとフォアードレートはどう変化したか?

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将来の市場予想金利や利上げ時期を計算で!インプライド・フォワードレートとは?

2 thoughts on “将来の市場予想金利や利上げ時期を計算で!インプライド・フォワードレートとは?

  • 2016年11月16日 at 11:35 PM
    Permalink

    最近Kazuさんの記事に出会ってこちらで色々遡って、読ませて頂いています。
    お金のしくみっておもしろいですね!
    面白そうだと思いつつもリスクがとれず行動に移せていませんが…オフショア預金ぐらい…もっと色々知りたいのでフォローさせていただきます。
    楽しみにしてます!

    Reply
    • 2016年11月17日 at 12:12 AM
      Permalink

      うみにんさん

      初めまして。
      >お金のしくみって面白いですね!
      自分もそう感じていて、知れば知るほど面白くなっています。
      きっかけはもちろん「金儲けがしたい」でしたが、今は好奇心が大半です。
      今後もいろいろ記事にしていくので、是非楽しみにしてて下さい!
      コメントありがとうございました!

      Reply

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