ビットコインリンク債とは?
ビットコインの供給量が絞られる半減期まで、残り2週間を切りました。
英Bitstampショックから直近急落をしていましたが、しばらく停滞を続けていた$500までは下落せず、直近は$650前後で価格維持しています。
株式市場が先行き不透明な一方、ビットコインは先高が高い環境である現在、もし自分が証券会社の営業だったら、こんな営業トークを仕掛けたいと思います。
「もし今後1週間のうちに10ドル以上ビットコイン価格が値下がりしないと思うのでしたら、年利150%の金融商品をご用意しておりますが、いかがでしょうか?」
日経平均リンク債ならぬ、ビットコインリンク債です。
もちろん現時点で、証券会社でビットコインは扱っていませんが、上記であれば売れそうですよね。
日経平均リンク債なんて、高くて年利4.0%、期間2年くらいですし。
実際には150〜200%の利益が取れそうなビットコインリンク債なのですが、今回はこの債券を自分で作る方法について紹介したいと思います。
リンク債=プット・オプション売り
ビットコインリンク債の作成手順を書く前に、EB債の一種であるリンク債の仕組みを説明します。
過去記事:EB債とCB債の違いとは?
日経リンク債もそうですが、ある株価水準を割り込むと、日経平均株価に換算した金額で償還される「ノックイン」という水準があります。
日経リンク債は”債券”のような名前ですが、投資家が株価下落リスクを負っているのと同じで、それ相応のリスクを負っています。
これはバニラオプションのプットを空売りすることで、リンク債と同じポジションを取ることができます。
しいて言えば、日経リンク債もビットコインリンク債も自身でオプション取引をすることで、証券会社に支払うプレミアム分を節約できます。
(大体利益率が80%くらい上がります。)
以下では、ビットコインリンク債と同ポジションを取るため、ビットコインのプット・オプションを売る手順を紹介します。
ビットコインリンク債作成手順
ビットコインを買う
まずビットコインを買います。
初めての方は当然ビットコインを持っていないと思うので、ビットフライヤーなどで口座開設し、日本円をビットコインに交換してください。
過去記事:ビットコイン取引所の最大手ビットフライヤー・口座開設手順(ビジネスクラス)
オプション取引市場に送金する
次に、ビットコインのオプション取引市場に、ビットコインを送金します。
自分はcoinut.comというサイトを使っています。
(というか、他のオプション取引市場が存在しないと思います。)
2018.5.8追記:
オプション取引市場については、現時点では圧倒的にderibit.comが有名です。(しかも日本語対応!)
取引に対する考え方は同じですので、以下参考にして下さい。
バニラオプションのプットを売る
ログインしたら、左下にある”VANILLA OPTIONS”をクリックし、限月を選択します。
例えば上記図で言えば、2016年7月3日GMT+0(日本時間AM9:00)時点のビットコイン価格について、バニラオプションが売買されています。
coinutの場合、売買サイズは0.01ビットコインです。(日経平均オプション取引でいう、株価×1000です。)
そのため、例えば$650/ビットコインにおける0.01ビットコインのプット・オプションは、買い気配が0.000284BTC、売り気配が0.000596BTCとなっており、出来高は100枚(1ビットコイン分)となっています。
このプット・オプションを売ることによって、ビットコインリンク債を生成することが出来ます。
具体的な収益を考える
それでは具体的に、プット・オプションを売った時の収益を考えます。
上述のプット・オプションを0.000284BTCで100枚売ったとすると、1ビットコインのポジションに対し、0.0284ビットコインの収入=2.84%の収入になります。
もし4.3日後の7/3に$650を上回っていると、この2.84%がまるまる収入となります。
仮に現在価格より$10安い$635のプット・オプションを売った場合、2.04%の収入となります。
「もし今後1週間のうちに10ドル以上ビットコイン価格が値下がりしないと思うのでしたら、年利150%の金融商品をご用意しておりますが、いかがでしょうか?」
というセールストークがありましたが、この取引を1年間続けた場合、
365日÷4.3日=84.8回
取引が可能となり、このときの年利は、
84.8回×2.04%=173.2%
となります。複利効果なしで、先ほどのセールストークを実現できることが分かります。
共有しているgoogleスプレッドシートでは、損益シミュレーションができるシートを作りましたので、参考にしてください(シート:PUTCALL)。
PUT売りだけでなく、CALL売りなども合わせると、いろいろな損益ポジションを生成することができます。
ビットコインオプション取引を使って、自在に収益コントロールできると、投資の幅が広がりますよ。
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〉自在に収益コントロールできると、投資の幅が広がりますよ。
お世話になります。
プットとコールは収益率が高い事は分かりましたが、同じリスクもあるのではないでしょうか?それともローリスクハイリターンですか?
dさん
コメントありがとうございます。
オプション取引のリスクとリターンは一体のため、リターン相応のリスクを負います。
詳細はプット・コール・パリティやブラック・ショールズ式に譲りますが、オプション価格は「原資産価格」「権利行使価格」「ボラティリティ」「無リスク利子率」「残存期間」のファクターによる裁定価格から算出されており、市場が効率的である限り、ローリスク・ハイリターンとなることはありません。
一方で、リスク量をより自在にコントロール出来るようになるため、自分に合った投資スタイルを取れるようになります。