先物投資セミナー参加しました

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先日は東京・秋葉原UDXで行われた、松井証券主催の東証マザーズ指数先物セミナーへ行ってきました。

あまり投資セミナーは参加しないのですが、たまたま時間空きそうだったので、ブログネタになればと思い参加。

マザーズ指数先物上場に伴う相場見通しが予想以上に内容が面白かったので、今回はセミナー内容を自分なりに整理して、これからのマーケット見通しについて紹介したいと思います。

世の中を動かすヘッジファンド

アクティブ運用を行うヘッジファンドが常に勝ち続けることは出来ませんが、マーケットの歪みを発見し、早期に是正することで大きな利益を上げるヘッジファンドは、世界のどこかに常に存在します。

つまりマーケットを最初に動かすのはアクティブ運用を行うヘッジファンドが中心であり、ヘッジファンドの動向がマーケットの先行きに大きく影響するとも言えます。

Hedge Fund Research社が提供するHFRXグローバル・ヘッジファンド・インデックスはヘッジファンドの運用状況をデイリーで把握できる指標であり、ヘッジファンド動向をみるためのデファクトスタンダードとなっています。

(基本的には証券会社向けにのみ配信されているHFRXですが、ドイツに上場するHFRX GBP ETFでも、大まかな動きを把握することができます。)

ヘッジファンドが取る8つの戦略

HFR社によると、HFRX指数は、ヘッジファンドが主に採用している下記8つの投資戦略を元に、指数を構成しています。

・株式マーケットニュートラル戦略(株式市場中立戦略)
・相対価値戦略
・CBアービトラージ戦略(転換社債裁定戦略)
・合併アービトラージ戦略(合併裁定戦略)
・イベント分析戦略
・破綻証券戦略
・株式ロングショート戦略
・マクロ戦略

セミナーでは各指数のチャートを紹介してあり(著作権的にブログに貼れないですが)、2006年以降安定的に利益を上げてきた「マーケットニュートラル戦略」が、2015年12月に行われた9年半ぶりのFRB利上げ以降、パフォーマンスが落ちていることが紹介されました。

マーケットニュートラル戦略とは?

そもそもマーケットニュートラル戦略とは、市場で割高に評価されている株式を空売りし、割安に評価されている株式を購入することで利益を上げる戦略です。

ちなみにロング・ショート戦略とも戦略的には似ているのですが、ロング・ショート戦略ではロング:ショート=5:1ほどになるのに対し、マーケットニュートラル戦略ではロング・ショート=1:1となるよう、ポジションを取ります。

そんなマーケットニュートラル戦略で利益が上げられなくなると、どうなるでしょうか?

ポジション決済による市場の歪み

絶対利益を追求するヘッジファンドにとって、利益を上げられない状態は、いづれファンド解約・資金流出に繋がります。

ファンド解約による資金流出に対応するには、現有するポジションを解消し、返金に当てる必要があります。

つまり、マーケットニュートラル戦略を取るファンド全体のパフォーマンスが落ちることは、割高な株式がさらに買われ、割安な株式がさらに売られ続ける状態となるわけです。

割高と思われるブイ・テクノロジー株が高値更新を続けたり、割安と思われる銀行・保険株が軟調なのは、マーケットニュートラル戦略が軟調なのが原因かもしれません。

マザーズ指数先物は格好の餌食

さて、2016年7月19日にマザーズ指数先物が上場しますが、これはマーケットニュートラル型のヘッジファンドにとっては、格好の売り対象となると予想されます。

そもそもマザーズ構成銘柄は、高成長を謳い上場している企業の集まりであり、目利きできるファンドマネジャーに取っては空売りしたい割高銘柄も含まれています。

しかし問題なのは、マザーズ指数構成銘柄のうち貸借銘柄は15%程しかなく、そのほとんどが制度信用銘柄のため、空売りができないことでした。

(正確には一般信用銘柄として空売りできますが、高い貸株料を払う必要があり、実質空売りできない状態でした。)

マザーズ指数先物が上場することで、これまで空売り出来なかった株を実質空売りできるようになるため、上場後は売り一色になるかもしれません。

特にマザーズ指数先物は、日経平均株価よりも上位銘柄による指数寄与度が高くなります。

7/19(火)は、先物売りにつられる形で構成銘柄も軟調な展開となりそうです。

マーケットの転換点は?

やはり気になるのは、下がる株ではなく、上がる株だと思います。

個人的にはマーケットニュートラル戦略を取るファンドのパフォーマンスが横ばいになり始めると、割安(低PBR)に放置されているを更に売る理由がなくなり、上昇し始めると思います。

また相場を動かす存在として気になるのは、バリュー株投資で有名になりつつある、旧村上ファンドメンバーが新しく立ち上げたヘッジファンド「エフィッシモ」です。

株主プロでは直近のエフィッシモ大量保有銘柄一覧が整理されていますが、保有する株価が上がり始めればさらに投資資金が集まり、エフィッシモを通じてバリュー株が軒並み買われ上昇するかもしれません。

儲かっている投資戦略を採用しているヘッジファンドには資金が集まり、その資金がさらに相場を動かすことで、投資戦略が採用出来なくなるまで利益を上げ続けるわけです。

投資先を見ると、エフィッシモは電機、造船、小売などでPBR1.0倍割れ銘柄を買い漁っているようなので、この辺りは注目ですね。

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