生情報が一番おもしろい

先日証券会社に勤める方と、プライベートで話す機会がありました。

もちろんインサイダー情報などのやり取りではなく、普通に仕事の話を聞いたのですが、その中で証券業界特有の文化・ルールについていろいろと教えてもらいました。

特に旬な話題でもある、すかいらーくの公募増資の話が面白かったので、ポイントをまとめたいと思います。

証券会社のルール

募集物での売れ残りは絶対NG

社債や増資を公募する際、これらは一般の人に募集を掛けることから、「募集物」と呼ばれます。

特に公募増資などは会社の信用がかかっている案件であり、募集金額を満たせなかった(穴を開ける、と言います)、というのは絶対に許されないようです。

今回のすかいらーく公募増資についても、各支店・各担当に割り振られた調達金額があり、担当者のノルマとして顧客から資金を集める必要があります。(証券会社の一番辛いところ)

しかし下記の理由で、資金集めに相当苦労したそうでした。

公募増資は信用売りの有無が重要

それは、すかいらーくに信用売りができない、ということです。

証券営業側も大っぴらには勧められないそうですが、3~5%のディスカウントがある公募増資では、裁定取引を使い無リスクで利益を狙えます。

しかも対面取引においては、優良顧客にまとまった金額を出してもらう傾向があり、抽選などは実質ありません。

1000万円の公募増資の話がきた顧客は、価格決定日の引けに1000万円分の株を空売りし、970万円で買った公募株と決済すれば、手数料で5万円ほど使ったとしても無リスクで25万を得ることができるわけです。

しかしすかいらーくの例では信用売りができない上、資金調達額も大きく、営業マンとしては厳しい売り込みになったそうでした。

まあ投資家サイドとしては、公募増資銘柄で信用売りができれば裁定取引が狙える点は、覚えておきましょう。

ファイナンス銘柄は相場操縦が可能

すかいらーくのように難航しそうな案件でも、証券会社としては売れるために何でもします。

後から調べて知ったのですが、証券業界には”安定操作期間”というものがあるそうです。

これは公募増資などを行ったファイナンス銘柄については、売り出し価格決定日の翌日から、受渡期日前日まで、安定操作を依頼された証券会社は株価操作ができるというルールです。

ちょっとびっくりですよね。

すかいらーくの場合は、

6/1(月)売出価格決定
6/2(火)-3(水)売出期間
6/9(火)受渡日

なので、6/2(火)-6/8(月)の間、相場操縦が可能となるようです。

6/1(月)終値1653円に対し、売出価格は1603円(3.02%ディスカウント)が決まりましたので、この1602円を大幅に下回らないよう、証券会社も現物買い注文を入れてくる可能性はあります。

安定操作を行った場合は、行ったことを公開する義務があるそうなので、日々チェックしておきたいと思います。

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