入出金が入るとよく分からない!
今回は、リターンの評価について。
個人投資家が興味あるのは、株や債券への投資を通じて運用している「自分ファンド」が、目標とする収益率に沿って運用出来ているのかどうかを判断することだと思います。
もちろん、4月初頭に100万円の資金で運用開始し、3月末に110万円になっていれば、年間の収益率が10%というのはすぐに計算できます。
ただ実際には、7月に30万円入金して、12月は40万円出金した・・など、入出金が伴っていると思います。
今回はこの、”ファンドの時価増殖率”という面を評価するために使われている金額加重収益率の計算を、Excel(googleスプレッドシート)を使って紹介したいと思います。
金額加重収益率による計算方法
一応計算式で書くと、下記のようになります。
ただし、
- MVB:期首の資産残高
- MVE:期末の資産残高
- Fi:i時点のキャッシュフロー
- t:期首から期末までの運用期間
- ti:キャッシュフローFiから期末までの運用期間
となります。
ただ実際に計算した方がイメージ湧くので、何となく知っていればOKです。
入出金を整理する
まず始めに、収益率を計算したい期間における期首残高、入出金、期末残高をExcelで整理します。
残存期間を計算する
次に、それぞれの項目について、期末までの残存期間を計算します。
今回は月末毎に入出金が行われているので、月次ベースの残存期間を計算します。
例えば2015年7月末にあった入金については、期末の2016年3月末まで8ヶ月間あるため、8ヶ月/12ヶ月=0.67となります。
他にも日次ベースであれば、10日目に発生した入金の場合は10日/30日=0.33などで、残存期間を求めます。
内部収益率の計算式を入力する
次に内部収益率(IRR)の計算式を入力します。
ここでは、仮に内部収益率が10%だった場合、期末残高がいくらになるかを求めています。
このときの計算式は、
- 100万円✕(1+0.1)^1
- 30万円✕(1+0.1)^0.67
- -40万円✕(1+0.1)^0.25
の合計で、内部10%のとき、2016年3月末の期末残高は101万円になることが分かりました。
Excelのゴールシークを使う
最後に、Excelのゴールシーク機能を起動し、目標値を「期末残高」(C9セル)、変化させるセルを「内部収益率(IRR)」(C7セル)して実行をすれば、求めたい収益率を返してくれます。
ちなみに今回のケースでは、内部収益率は18.18%となります。
googleスプレッドシートには、ゴールシークという収束計算機能が付いていないので、ここは上記のようにExcelでゴールシーク機能を使って下さい。
変数である内部収益率(IRR)を、手で修正して、期末残高が110万円になる値を探して求める事もできます。
(全くスマートではないですが。笑)
実務で使われる修正ディーツ法
上述の計算方法は便利ですが、Excelのゴールシークがなければ収益率の計算が求められません。
こうした問題を避けるため、Excelが普及する前は修正ディーツ法という手法で、収益率を求めていました。
こちらは現在も多くの運用会社でも使われており、より実務に近い手法となります。
修正ディーツ法の計算式
修正ディーツ法の計算式は、下記となります。
ただし、
- MVE:期末の資産残高
- MVB:期首の資産残高
- F:期中のネット・キャッシュフロー
- FW:キャッシュフローとその発生期間との積和
となります。
内部収益率を求める
先ほどの式を、googleスプレッドシートに入力します。
元となるデータは既に求めているため、計算式を入力すれば、答えとなる内部収益率18.18%が得られます。
今回作成したシートをgoogleスプレッドシートで閲覧出来るようにしときますので、皆さんも自身のリターンがどれだけあったのか、計算してみてはいかがでしょうか?
最後までご覧頂きありがとうございました
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投資のブログを始めたばかりです。凄く勉強になりました。成績計算の際には参考にさせて頂きます????
tepさん
為になる記事を提供出来て何よりです。
是非参考にしてみて下さい!