やっぱり資本家が有利なのか?

前回の記事では、日本のGDPを500兆円としたとき、

  • 275兆円(55%)=労働者
  • 225兆円(45%)=企業、資本家

と、1年間で造られた付加価値が分配されることを紹介しました。

これだと資本家がかなり有利、という印象になりがちですが、この資本分配率には”あれ”が含まれているのです。

あらゆるモノは劣化する

生産活動をする上で必要なのは、一次産業を除けば、労働者だけではありません。

工場であれば建物や生産設備、トラックも必要ですし、インターネット企業ならサーバーやパソコンも必要です。

しかし数年すれば設備の生産性も落ちるし、パソコンも3年経てば陳腐化してしまいます。

これを国民経済計算では固定資本減耗(会計用語で言うと減価償却)というのですが、実はこうしたモノの減価分が、上記225兆円のうち100兆円(GDPの2割程度)を占めています

企業に分配される付加価値の行方は?

以上より、企業はGDPの45%の付加価値を分配されますが、そのうち20%はキャッシュとして残らないことが分かりました。

では、残り25%の付加価値は、誰のものなのでしょうか?

これらは、債権者と出資者(株式保有者)の2者へ分配され、最後は個人の金融所得となります。

企業は利益を上げると、まず債権者に対し元本と利息を、優先して返済します。

借金返済後もなお利益が残った場合は、残りは株主の取り分となります。

こうして、最終的には資金の出し手である個人に、利息or配当を乗せる形で戻ることになるのです。

*国民所得=GDP-固定資本減耗+海外からの所得-(生産・輸入に課される税-補助金)

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固定資本減耗がポイント!計算式いろいろの労働分配率をマクロで考察する

2 thoughts on “固定資本減耗がポイント!計算式いろいろの労働分配率をマクロで考察する

  • 2015年5月25日 at 8:30 PM
    Permalink

    はじめまして。
    知人のところからお邪魔しました。

    若いのに投資暦13年なんですね。
    すごいですね。

    またお邪魔します。

    • 2015年5月26日 at 7:37 PM
      Permalink

      saru999さん
      >若いのに投資暦13年なんですね。
      すごいですね。

      株を始めたのは中学3年でしたねー。
      勉強代はマーケットに相当払っています。笑
      コメントありがとうございます!

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