支持率を支える株高ストーリーを考える
政府系金融機関であるゆうちょ銀行、かんぽ生命が上場する2015年秋まで、2ヶ月ほどとなってきました。
そろそろ議論が活発になってきそうな政府系金融機関の大型上場について、今回は書きたいと思います。
表向きは東日本大震災に伴う税収確保が上場する理由となっていますが、個人的にはアベノミクスによる構造改革を推進するための支持率回復と、そのための株高を演出するための手段だったと考えています。
どのような仕組みで株高ストーリーに持っていくかというと、下記となっていると考えています。
政府保有株売却と規制緩和
上場させることにより株の政府保有割合を減らせるため、巨大なゆうちょ銀行・かんぽ生命を取り巻く規制を緩和しても、民業圧迫という批判を抑えることができます。
その際確実に行われると考えているのが、ゆうちょ銀行・かんぽ生命の預け入れ限度額の規制緩和です。
民業圧迫という理由で銀行・保険業界から反発があり、預け入れ限度額に1000万円という上限を設定しています。
そのため全国ネットワークがあるゆうちょ銀行に資金を預けたくても出来ず、上限額以上の資金については別銀行に預けるのが通常となっています。
特に地方では使い勝手の悪い地方銀行に預けざる負えない状況にあり、この規制が段階的に緩和されれば、ゆうちょ銀行への多くの資金流入が想定されます。
リスク性資産で運用
またゆうちょ銀行の特徴として、貸付業務ができないという点が挙げられます。
これも民業圧迫を懸念した規制です。
そのため低利で集めた資金で利ざやを稼ぐには、リスク性のある証券などを買う必要が出てきます。
そうでなくても、政府保有割合は高く、政府の意向は経営方針へ織り込む必要はあるため、資金を株式へ割り振り株高を演出してくれると考えています。
株価が低迷気味になってくると、ゆうちょ銀行(200兆円)、かんぽ生命(80兆円)というGPIF(130兆円)を超える巨額資金を、株購入に当てるニュースが話題となってくるのでは?と思います。
日本国債は日銀が引き受け
現在運用のほとんどを占める日本国債も、売りに出したとしても日銀が量的緩和で国債買い占めをしており、債券市場にも影響が出ないようにできます。
個人ではリスク回避的になりリターンが低くなる傾向がありますが、ゆうちょ銀行に資金が集まれば、政府主導で高いリターンが見込まれるリスク性資産へ強制的に投資される仕組みです。
以前の記事にも書きましたが、年間の新規国債発行額は32兆円ほどであり、現在行っている年間80兆円の国債を毎年買い入れる量的緩和政策は、こうした政府系金融機関が持つ日本国債を日銀が引き受けるためだとしか考えられません。
まあ中国の危なっかしい株高政策よりは理に叶っていていいとは思いますが、出口戦略が出来るのか心配になってきます。
安保法案も日本に取っていい方向に向かっているとは思いますが、バランスの取れた金融政策と政権運営をお願いしたいところです。
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